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ホンダ、世界初の10速AT エンジン車の「多段階化」、開発競争加速 [トレンドニュース]

ホンダは前輪駆動車(FF)向けで世界初の10速AT(自動変速機)を開発した。現在、主流の6速ATに比べてきめ細かな変速によってエンジンを効率が良い回転数で運用でき、燃費は6%以上改善する。北米を中心として大型車に搭載する見込みだ。

ATは走行状態に合わせてギアを自動的に変え、エンジンからの回転をタイヤに伝える。走行時に必要な回転数を伝えるほか、停止したときに駆動力を切り離し、後退時には回転を逆にするなどの機能を担っている。主に回転をギアに伝える「トルクコンバーター」、回転を変速してタイヤに伝える「プラネタリーギア(遊星歯車)」、変速指示を出す油圧装置などで構成される。

一般的にATは多段階化を進めると1つのギア当たりの速度域が狭くなり、変速した際のショックとエンジン回転数を抑えることで燃費が改善する。騒音を低減する効果も期待できる。

だが、変速数を増やせば歯車など部品点数が増えるため、ATが大型化して設計の自由度が制限されてしまう課題があった。ホンダが開発した10速ATは、小型・軽量化して従来の6速ATと同等のサイズを実現したのが最大の特徴だ。

小型化が可能になったのは、3種のギアで構成するプラネタリーギアに独自の構造を採用したためだ。遊星歯車の外側にも歯を設け、別のギアと一体化して4.5センチ短縮。前進と後退を切り替える部品も歯車と一体化して2.5センチ短縮するなど小型化に最適な構造を実現している。

その結果、全長は37.5センチと従来の形状よりも小型化し、多段階化による燃費改善と設計の自由度を両立した。一定速度で走行した際のエンジン回転数を26%削減して騒音も抑制した。

さらに、急加速時に6速から10速など「3段飛び」の変速を可能にして加速感を高めたほか、変速の応答時間をこれまでより30%以上短縮するなど「走り」にもこだわっている。

自動車業界ではギアを使わず、ベルトを通した滑車の径を変化させることで連続的な変速を可能にしたCVT(無段変速機)で燃費改善を図る車種も増えている。だが、CVTは大排気量の出力とは相性が悪いとされており、ホンダは大型車向けに10速ATを開発してきた。報道公開した試験車も高級セダン「アキュラRLX」に搭載しており、大型車の需要が強い北米市場などで投入が見込まれる。

ホンダは10日、新型燃料電池車(FCV)「クラリティ フューエルセル」のリース販売を開始。2018年までにプラグインハイブリッド車(PHV)を市場投入し、将来的に電気自動車(EV)もラインアップに加える方針だ。

30年にはハイブリッド車(HV)も含めた環境対応車の販売に占める割合を3分の2まで引き上げることを目指しているが、15年はHVの5%程度にとどまっており、当面はエンジン車が主流だ。10速ATなどでエンジン車の燃費改善を進めることが、競争力維持には不可欠になる。

多段階化では、メルセデス・ベンツが昨秋発売した主力の「Cクラス」のクリーンディーゼル車に9速ATを採用するなど先行している。自動車各社も開発を進めているが、ホンダが世界初の10速ATを開発したことで競争が加速しそうだ。

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